割烹料理 なりはん 到着!
2025年6月14日、蒸し暑さがまとわりつく土曜日の夜。雨で湿気もひどく、汗をぬぐいながら北新地の割烹料理「なりはん」へ向かった。
この日は、A5ランク黒毛和牛を含む全九品、15,400円(税込)のコースを予約。店内の静けさと上品さに包まれながら、個室に案内された。
ただ、あまりの蒸し暑さに体は火照り気味。思わず店員の女性に「すみません、エアコンの温度を下げてもらえますか?」とお願いしてみた。
しかし、その個室では温度調整が難しいとのことで、代わりに部屋に置いてあったサーキュレーターの電源を入れてくれました。
彼女は僕の方に風が届くよう、何度も何度も角度を調整する。少しずつ首を傾け、立ったりしゃがんだりしながら、僕に風が当たる「正解の位置」を探す姿があまりにも一生懸命で、思わず見入ってしまった。
途中で、その女性がこの店の“女将さん”だということを知った時、ふっと腑に落ちた。

てか、最初から”ただもんちゃうオーラ”出てたやろ???
1品目・付き出し

1品目は、目にも美しい三種盛りの付き出し。
和歌山県産の足赤海老のお寿司、北海道産のバフンウニと自家製の落花生のお豆腐、そして白身魚のすり身揚げが一皿に並びます。
まず感動したのは、足赤海老。
生のまま提供されていて、ぷりっぷりの食感。分厚く、ひと口でその甘みと濃厚な旨みが口いっぱいに広がりました。
バフンウニは、言わずもがな。
甘くてクリーミーで、ウニ好きにはたまらない味わい。
そして驚きだったのが、自家製の落花生豆腐。
ひと口食べると、落花生の香ばしい風味がふわっと広がり、そこにバフンウニがのっているという贅沢さ。
この豆腐とウニの組み合わせ、最高のバランスでした。
白身魚のすり身揚げは、揚げたてサクサク。
外はカリッと、中はふわっと。シンプルながら、手仕事の丁寧さが伝わる一品です。

ちょっと待って!付き出しのレベル、もうメインやん!?一品目でもう帰ってもええ気持ちになるわ!!!
2品目・お造り

2品目は、全国から選りすぐりのお造り三種盛り。
千葉県産のカツオ、徳島県産のヒラメとエンガワ、そして鳥取県産の甘エビ。
タレは2種類。
刺身醤油と、自家製のポン酢が用意されていたんですが──もう断然ポン酢が絶品でした。
たぶん椎茸などのきのこ系の旨味がベースになっていて、そこに柚子のような爽やかな酸味。
このバランスが素晴らしくて、どの刺身にもベストマッチ!
カツオはしっかり厚切りで、ひと口ごとの満足感がすごい。
ヒラメとエンガワは淡白だけど、噛むほどに旨味が広がってくるタイプ。
甘エビはもう…甘さがすぐにやってきて、プリップリで感動モノでした。

ポン酢にそんな深み出せるの!?うちの冷蔵庫のポン酢と飲み比べてみたいな〜!
3品目・小鍋

3品目は、季節を感じさせる小鍋。
長崎県産 はもと千葉県産のおかひじきが主役の一品です。
まず感じたのは、なんといっても出汁の旨さ。
一口すすると、ふわっと広がる上品な香りと濃厚な旨味。
ハモの出汁がしっかりと効いていて、まさに体に染み渡る味。
気づけばお汁は、**一滴残らず完飲。**それほどの美味しさでした。
おかひじきはシャキッとした食感があって、はものフワフワ食感と絶妙なバランスでした。
この一椀で、体も心も完全にととのいました。

出汁で“ととのう”とか言う人、絶対サウナ好きやろ!!!
4品目・焼き魚

4品目は、徳島県産の白甘鯛鱗焼き。
まず目を引くのが、パリッと焼かれた鱗の存在感。
口に入れた瞬間、鯛のふっくらした身と一体になって、食感が楽しかったです。
また塩味穏やかで上品な味わいでした。
焼き魚といえば「ほぐす手間」や「パサつき」が気になるところですが、
この一皿にはそんな心配は一切なし。
しらすも塩味穏やかで、全体的にシンプルだったので、今思うと次からの料理の伏線になっていたのだと感じました。

さすがジョニーやな!焼き魚で舌をリセットさせようとする大将の意図を感じ取ることができたんやな、、、気づくの遅いけど(笑)
5品目・小鉢

5品目は、和歌山県産ツルムラサキのお浸し。
このあたりでお酒もだいぶ進み、写真はすでに“食べかけ”状態に……失礼いたしました(笑)
とはいえ、ついつい箸が止まらなかったのも事実。
シャキシャキとした食感に、しっかりめの出汁が染み込んだ味つけで、
先ほどの塩味あっさり系の焼き魚と比べると、グッと濃いめの味わい。
お酒のアテとしても抜群で、気づけば完食していました。

ジョニー!!!写真撮る前に食べとるやないかい!それぐらい本気で旨かったんやな(笑)
6品目・揚げ物

6品目は揚げ物の盛り合わせ。
全国各地の食材が一皿に集結していて、見た目からすでにテンションが上がります。
淡路島産のアイナメと、長崎県産のメゴチは、衣が薄くてサクサク。
中の身はふっくらふわふわで、揚げたての美味しさが際立っていました。
和歌山県産のスナップエンドウは、シャキッとした食感が小気味よく、
愛知県産のバイ貝旨煮は、濃いめの味付けでもう日本酒との相性抜群。
それぞれの素材の個性がしっかり活きていて、
「揚げ物だけど重たくない」、そんな理想の一皿でした。

天ぷらは衣が薄いってマストやな!!!チビおし毛も薄ければ薄いほうが好きやねん!!!」
7品目・肉料理

7品目は、お待ちかねの肉料理。
秋田県産・黒毛和牛のシャトーブリアンが、満を持して登場です。
見た目からして高級感たっぷり。
箸で持てばその柔らかさが伝わり、ひと口食べれば「歯がいらない」ほどのやわらかさ。
脂のキレもよく、肉の旨味もじゅわっと広がります。
…が、ここで正直にお伝えしておきたいことがひとつ。
これまで、いろいろな場所で“とびきりのシャトーブリアン”を味わってきたジョニーとしては、
今回のお肉は、どこか「あと一歩」物足りなさが残る印象でした。
もちろん十分に美味しいのですが、「シャトーブリアンなら、もっと感動できる」と感じてしまったのも事実です。

でたー!!!ジョニーの“俺はもっと旨いシャトーブリアンを知ってる”…そのセリフ。感謝の気持ちが足らんぞー!!!美味かったらそれで十分やと思えー!!!
8品目・ごはんもの



8品目は、心からホッとできる和の〆ごはん。
使われていたのは、富山県産のコシヒカリ。
土鍋で炊き上げられたご飯は、お茶碗によそってもらった瞬間から美しい。
一粒一粒が大きく米が立っていて、その見た目からすでに「美味しい」が確定していました。
そして中央の卵。
見てください、この色…! 黄身の濃さがすでに本気。
実際に口に運べば、濃厚な旨味とまろやかな甘み。ご飯との相性は、言うまでもなく最高です。
噛むほどにもっちり、ほんのり甘くて、
思わずおかわり──しようとしたところで、
店員さんが一言、「おかわり、いかがですか?」
…はい、神対応でした。
最後の最後まで、味も接客もパーフェクト。
「やっぱり日本人でよかった」と、心から思える一膳でした。

米が“立ちまくってる”って、例えて言うならアイドルのライブ会場ぐらい盛り上がってるっちゅうことやな!ちゃうか!?(笑)
9品目・デザート&締めのメッセージ

ラスト9品目はデザート。
自家製の本生クリーム大福、沖縄県産のパイナップル、そして鹿児島県・知覧の緑茶。
どれもそれぞれ美味しかったのですが──
ここは迷わず**「大福一択」**です。
もちもちの皮に包まれた中身は、甘さ控えめの生クリームと黒あん。
濃すぎず、でもしっかり満足感のある味わいで、
いま流行りの“ちょうどいい甘さ”を体現しているような一品でした。
生クリームとあんこのバランスが抜群で、和洋の良さが見事に調和。
一緒に行った友人はあまりの美味しさに、**「おみやげでください」**と即注文。
お土産用に包んでもらっていました。
最後に:「割烹料理 なりはん」という店の魅力
今回訪れた「割烹料理 なりはん」は、北新地の中でも落ち着いた大人の空間でした。
料理はもちろんどれも丁寧に作られていて、
それ以上に印象に残ったのが、店主(おかみさん)の人柄と心づかい。
常連でもないのに来店すぐに暑いというと、すぐにサーキュレーター用意してくれたり。
他の従業員の方の接客も細やかでした。こちらがお願いする前に「おかわりいかがですか」と声をかけてくれるような気づかいが随所に。
お料理に使われていた食材も、こちらから聞くと──
もともと用意がなかったにもかかわらず、わざわざパソコンで打ち出して、一覧にして渡してくださったのです。
その気持ちに、なんだか胸が温かくなりました。
料理の美味しさだけではなく、“また行きたい”と思わせるのは、こういう店の姿勢なのだと感じました。
もし、この記事を読んで「行ってみようかな」と思ってくれる方がいたらうれしいです。
北新地で、少しだけ特別な夜を味わってみたい方に、心からおすすめできるお店です。